国道沿いに宮殿が3日間で建設され、その2日後に消え去った。中東風の金色の大きなドーム型屋根が三つも載った建物が突然、出現して、あっという間に消滅した。
インドではおなじみの結婚式会場の設営だ。この国の人々は挙式に金を惜しまないといわれる。さすがに宮殿建設クラスは富裕層に限られる。筆者がかつて出席した一般家庭の結婚式で、友人の新郎が白馬に乗って会場に入ったのには度肝を抜かれたことがある。
ただ、この慶事への力の入れようが経済を回していることも事実。耐久消費財から、国内総生産(GDP)に至るまで実績が好調だった場合の季節要因の一つに「婚礼シーズン」が挙がるほど。
インドは気温が下がり、外で過ごしやすくなる晩秋に最大の婚礼シーズンを迎える。全インド商人連盟(CAIT)は、昨年11月23日~12月15日の23日間に全国350万カ所で挙式が行われ、経済効果についてGDPを4兆2500億ルピー(約8兆円)押し上げると試算した。昨年10~12月期のGDPは約44兆ルピーで、実に1割に寄与する計算だ。(インド)
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