地下鉄整備で渋滞と大気汚染の緩和へ、インドネシア

  •  日本の技術を採用したシールド工法による掘削工事が進む地下トンネル(インドネシア・ジャカルタ特別州)
  •  香港の映画館入口で「九龍城寨之囲城」の予告編に見入る人々

 ジャカルタで悪化の一途をたどる交通渋滞と大気汚染。この問題の緩和が期待されるプロジェクトが今、地下で着々と進められている。日本が支援する都市高速鉄道(MRT)の延伸工事だ。

 同プロジェクトは2019年に開通した南北線に続く支援で、日本政府による円借款が供与されるだけでなく、日本の優れた技術やノウハウを活用する「本邦技術活用条件(STEP)」を適用。新設される7駅全てが地下駅となるため、日本の地下トンネル工事の技術が活用されているほか、車両や信号システムでも日本の技術が使われる。

 先日、地下トンネルの掘削現場を見学した。足場の階段を十数メートル下ると、直径約7メートルのシールドマシンが見えた。開通済みの路線に続き、トンネルはシールド工法で掘削されていく。日系建設事業者によると、ジャカルタでは地下埋設物が分かる図面が残っていないこともあり、何が埋まっているのか掘るまで分からないという。旧市街地で歴史的建造物に囲まれるコタ地区の現場では、遺跡が見つかったために工期が遅れているようだ。

 日本では当たり前に乗っていた地下鉄。この当たり前をジャカルタに届けるため、今も地下で作業をしている人たちの...

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