札幌市ススキノ地区のホテルで2023年７月、頭部を切断された男性の遺体が見つかった事件で、殺人や死体遺棄などの罪で起訴された30歳の女性を手助けしたとして罪に問われた母親の初公判があった。
母親は「遺体の存在に気づいたのは家に持ち込まれた後」などと述べて起訴内容を否認。検察側の冒頭陳述では、両親が娘である女性に「欲しいものはすべて買い与えた」「（娘を）お嬢さんと呼び、敬語で接した」など特殊な親子関係が明らかにされた。
ここからは一般論になるが、ここまで極端でなくても、診察室にはときどき「子どもに支配された両親」が相談にやって来る。子どもが不登校などに陥ると、親は「今日は行ってくれるか」と顔色をうかがうようになり、ときにはほうびを与える条件で登校させようとする。そういったことが繰り返される中で、いつの間にか子どもが家庭内で君臨し、両親やきょうだいを召し使いのように扱い、指示に従わないと暴力を振るったりするようになる。
家族は家庭内のトラブルを外部に知られたくないと思い、子どもが大声をあげたり暴れたりする前に言うことをきいてしまう。「絶対誰にも言うな」と子どもから指示され、外ではなにごと...
