岩美町の職員たちが今夏、SNS(交流サイト)上で爆発的に話題が拡散される“バズり”を狙って体を張った試みを実行した。QRコードが印字されたTシャツとカニを模したかぶり物を身に着け、ゲリラ的に東京都内各所に出没。QRコードから同町ふるさと納税のポータルサイトにアクセスしてもらい、寄付を呼びかける作戦だ。
企画したのは同町商工観光課の竹内登子主事。東京への出張のタイミングに合わせ、ふるさと納税のPRもできないかと発案した。声をかけてくれた人やSNSに投稿してくれた人に岩美町PRグッズを贈る。
町は本年度、寄付額年間1億円を目標に掲げる。達成には単価が高く、町が漁獲量日本一を誇る松葉ガニの売り込みが重要と考え、カニ帽子の使用を決め、Tシャツは特注した。
上京に先立ち、11日夕に今回の企画を町の公式Xで告知したところ300回以上、リポストされた。
12日、同課の職員3人が上京。翌日までの2日間で渋谷、JR東京駅前、浅草、池袋などを巡り、「カニ出没」のハッシュタグ(検索目印)を付けて写真を投稿した。同町がロケ参考地とされる人気アニメ「Free!」ファンが写真を撮ったり、投稿してくれたりしたという。
同課の畑先久志課長は「既存のPRと同じことをやっていても伸びない。これまでのPR手法から脱却するきっかけになれば」と企画にGOサインを出した思いを明かし、「今回の失敗と成功を参考にしながらさらに磨いていけたら」と話した。(西山恭平)