【養老先生に人生相談!】組織の運営に興味が持てず、管理職になりたくありません

  •  養老孟司さん(撮影・大津薫)

【相談】

 介護の職場で技術職として働いています。下っ端ですが、やりがいを持ってやっています。ただ上司を見ていると、本来の業務よりも、お金の管理や人間関係など運営の方が頭の大半を占めているような印象です。私は組織の維持のような仕事に前向きになれず、いつかは順番が回ってくるかもしれないと思うと憂鬱(ゆううつ)になります。養老先生はかつて東大医学部で管理職をされた時、前向きな気持ちになれましたか?(栃木県 理学療法士 39歳 男性)

 

 【養老孟司先生の回答】

 私が一般の会社でいう管理職のような立場になったのは、助教授になった時ですね。感覚的にはあなたと一緒で、管理する側に回るのは本当に嫌でした。「自分のことで精いっぱいなのに、なぜ人の面倒まで見なければならないんだ」と思いました。

 ▽自ら進んで

 管理職になると、当たり前ですが、運営に関わる仕事が増えます。私がよく思い出すのは、「兼業規定」。ご承知のように国家公務員は、原則として本業以外に仕事をすることはできません。たまに職員に大きい農家の息子がいて、家業を手伝うと兼業に当たる場合がある。管理上、彼らに説明しなければならないのですが、私は本当に...

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