因縁の対決、リベンジ許すも五十嵐カノアは潔かった【五輪コラム】

サーフィン会場タヒチ、自然破壊への抗議は「落ち着く」

  •  男子3回戦を終え、ブラジルのガブリエウ・メジナの健闘をたたえる五十嵐カノア(右)=タヒチ(共同)
  •  チョープーの海岸から数百メートル先の沖合まで広がる岩礁とサンゴ礁。うねりがぶつかり大波が立つ=フランス領ポリネシア・タヒチ=ドローンから・共同、2023年11月
  •  男子3回戦で波に乗るガブリエウ・メジナ=タヒチ(AP=共同)
  •  男子3回戦で波に乗る五十嵐カノア=タヒチ(共同)
  •  セレモニーを終え、衣装を着た女性と記念写真に納まるサーフィン男子の五十嵐カノア(中央)=7月26日、タヒチ(共同)

 ちょっとほっこりした。サーフィンの男子3回戦。前回の東京五輪で銀メダルを獲得した五十嵐カノア(木下グループ)が、ブラジルのガブリエウ・メジナとの対戦後にがっちり握手し、健闘をたたえた。東京大会では準決勝でメジナを破って決勝に進んだが、採点に不満を募らせたブラジルファンからインスタグラムに誹謗中傷のメッセージを寄せられたこともあった。因縁の対決は、メジナの神がかったライディングに完敗。今大会で一番ともいえるビッグウエーブをつかんだ宿敵を流ちょうなポルトガル語で祝福する五十嵐の表情は晴れやかだった。(共同通信=戸部丈嗣)

 ▽ハンディを背負い、チューブ勝負で力負け

 国内屈指の名所として知られる千葉県一宮町の釣ケ崎海岸で開催された東京五輪の準決勝は、台風の影響で大会随一の高い波が立った。ただ、風向きはサーフィンに理想的なビーチから沖へと吹くオフショアではなく、沖から吹き付けるオンショア。波が乱れて連続技は繰り出しにくく、波の頂点から飛び上がっての空中技勝負となった。メジナが巧みなエアリバース(横1回転技)でリードしたが、終盤に五十嵐も鮮やかなエアリバースに成功。到達点の高さと滞空時間の長さで...

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