柔道・斉藤には勝ち抜く力があった。だが、延長戦が影響した【五輪コラム】

メダルの分散は世界的普及が原因。日本は復活できる

  •  男子100キロ超級の初戦となる2回戦でチェコのクレパルクと対戦する斉藤立=パリ(共同)
  •  男子100キロ超級準々決勝で勝利し引き揚げる斉藤立=パリ
  •  幼少期に父の斉藤仁さん(中央)と記念撮影に納まる斉藤立(右)と兄の一郎さん(左)(母の三恵子さん提供)
  •  男子100キロ超級準々決勝でキューバ選手を攻める斉藤立=パリ(共同)
  •  男子100キロ超級準決勝で韓国の金民宗と対戦する斉藤立=パリ(共同)

 柔道の個人戦が終わった。連日、勝ち負けよりも判定に関する話題が多かった気がする。問題の一つ一つを論じる気はないが、「ゴールデンスコア方式」の延長戦は何とかならないのか。果てしない千本ノックのような我慢比べは、いつも見ていてつらい。そして精根尽き果てた選手が次戦で敗れると、切なくなってくる。

 8月2日の男子100キロ超級、斉藤立の準決勝敗戦も、時計が止まっている時間を含めれば優に10分以上も戦い続けた準々決勝の影響があったように思う。(共同通信=尾崎透)

 192センチ、165キロの巨体に理詰めで切れ味ある投げ技。中学時代から次代のエースと言われ、順調に成長して五輪まで到達した。期待に応えたのは、1984年ロサンゼルス、1988年ソウルと五輪2連覇を果たした斉藤仁の息子という血筋以上に、本人の努力が大きかった。

 迎えた大舞台。初戦、連覇を狙ったクルパレク(チェコ)相手にがっちり組む姿は、全盛期の山下泰裕や父をほうふつとさせる堂々たるものだった。

 この難敵を鮮やかな内股で投げ切ると、準々決勝は2022年の世界選手権で敗れたグランダ(キューバ)。果てしない消耗戦の末に勝ったものの、準決勝の相...

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