大会第10日は興味深いプログラムが組まれていた。ハイライトは陸上男子100メートル決勝。ノア・ライルズ(米国)が9秒79で制し「世界一速い男」の称号を得た。ライルズは、世界陸連が今大会から実施の金メダリスト賞金5万ドル(約710万円)も獲得。史上初となる五輪での賞金支給は今回、陸上のほかボクシングでも実施される。同日は、通常のツアー大会で高額賞金を得ているゴルフの男子プロが、賞金のないメダルを目指して高度な技術を競った。果たして五輪に賞金は必要なのか。(共同通信=荻田則夫)
▽史上最高レベルの接戦
いつの五輪でも陸上男子100メートルは大会のハイライトだ。雰囲気は世界選手権とも全く違う。選手も、スタンドも、テレビ観戦者も、緊張感はマックスだ。過去の大会からも10秒足らずのドラマが何本も語り継がれてきた。今回のまれにみる大激戦も多くの人の記憶に残るレースになった。
準決勝で日本のサニブラウン・ハキームが9秒96の自己ベストを記録しても、決勝に進出できなかった。世界陸連によると、9秒台を出しながら準決勝で落選するのは史上初めてという。超ハイレベルの戦いは決勝でも続き、2位との差は千分の5...