セーヌ川の水質に振り回され、寝不足の日々【五輪コラム】

トライアスロンは延期を繰り返したが、最後は盛り上がった

  •  パリ五輪のトライアスロン会場。セーヌ川の水質悪化で公式練習が中止になった=7月28日、パリ(共同)
  •  延期となったトライアスロン男子の会場のセーヌ川=7月30日、パリ(共同)
  •  パリ五輪のトライアスロン男子でスタートする選手たち。セーヌ川の水質問題で延期となった末、基準をクリアし実施された=7月31日、パリ(共同)
  •  女子スイムの高橋侑子=パリ(共同)
  •  男子スイムの選手たち=パリ(共同)

 7月28日、午前8時。選手たちがついにセーヌ川で泳ぐ―、はずだった。トライアスロンのスイム会場での公式練習初日。発着点のアレクサンドル3世橋に出向くと、運営に関わる船が行き来するだけで、選手の姿はない。もしかして…。嫌な予感は当たった。前日までの雨の影響で水質が悪化し、練習が中止となったのだ。懸念されていた「水質問題」がヒートアップし、検査結果に気をもむ日々が始まった。(共同通信=菊浦佑介)

 水質悪化で101年前に遊泳禁止となったセーヌ川での競技は、パリ五輪の目玉の一つ。パリ市は大会を契機とした浄化に着手し、汚染の原因である雨水の流入を防ごうと、巨大な貯水池を設けるなど対策を重ねてきた。

 投じた費用は14億ユーロ(約2200億円)。しかし、開会式があった7月26日から降った雨の影響で、水質が悪化。選手が初めて泳ぐ予定だった公式練習がなくなった。

 翌日も公式練習が予定され、30日にはいよいよ男子の競技が行われるというスケジュール。こうなると、いつ選手が泳げるのかが焦点となる。この確認が、思っていた以上に厄介だった。

 国際統括団体の世界トライアスロンは、夜間に採取した水をすぐに検査。大腸...

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