文田のグレコローマン金は40年ぶり【五輪コラム】

伝統ある種目だが、続いていくとは言い切れない

  •  レスリング男子グレコローマン60キロ級で金メダルを獲得した文田健一郎=6日、パリ(共同)
  •  男子グレコローマン60キロ級決勝で中国の曹利国(下)を攻める文田健一郎=パリ(共同)
  •  レスリング男子グレコローマン60キロ級で金メダルを獲得し喜ぶ文田健一郎=6日、パリ(共同)
  •  パリ五輪のレスリング男子グレコローマン60キロ級準決勝で、キルギスのシャルシェンベコフ(上)を投げる文田健一郎=5日、パリ(共同)
  •  東京五輪男子グレコローマン60キロ級決勝で敗れ、涙の文田健一郎=幕張メッセ

 レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級で、東京五輪銀メダリストの文田健一郎が7日、中国選手を破って念願の頂点に立った。地味な種目のグレコローマンでは、1984年ロサンゼルス五輪以来40年ぶりの金メダル。「今まで取ってきたどのメダルより重かった」と喜びを語った文田の勝利の軌跡を追いながら、この競技の在り方について考えた。(船原勝英)

 曹利国との決勝は、文田の総合力が上回って危なげなかった。序盤の守勢を守り切り、第1ピリオドはパーテレポジションからローリングで返して2点を加えて3―0とリード。第2ピリオドに1点を返されたが、隙を見せずに4―1で逃げ切った。

 勝利が決まると、「どうだ」という表情で会場を見回し、表彰台へはジャンプして上った。念願の金メダルを首に掛け、晴れやかな表情でコメントした「今までとってきたどのメダルより重かった」の言葉に実感が込められていた。

 実は、最大のヤマ場は、2023年の世界選手権決勝で敗れたシャルシェンベコフ(キルギス)との6日の準決勝だった。 

 

 0―1とリードされた第2ピリオドの45秒に左後方への鮮やかな反り投げを決めて4―1と逆転。その後の相手の...

残り 1001 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事