22歳の若武者が日本陸上界に新たな1ページを開いた。男子110メートル障害の村竹ラシッドが9日、日本勢初の決勝の舞台で堂々の5位入賞した。13秒21のタイムは自己の日本記録(13秒04)には遠かったが、持ち味の鋭いハードリングが世界水準であることを証明した。どうしてこの種目で、日本勢が目覚ましい躍進を続けることができるのか。理由を考えてみた。(船原勝英)
8日の準決勝は薄氷を踏む思いだった。ギアを上げようとした3台目でハードルにぶつかり、リズムを崩したが、なんとか1組4着(13秒26)にとどまった。順天堂大で2年先輩の泉谷俊介(13秒32で3着)を押さえて8番目、ギリギリでの通過。「この世の終わりみたいな気分でずっと待っていた」が、与えられたチャンスを見事に生かした。
「ずっと待ち望んだ舞台だった」9日の決勝。好スタートを切ったが、1台目でハードルに足が掛かった。だが、初舞台でも落ち着きは失わなかった。「2、3台目で持ち直し、大きな影響はなかった」。頭の上下動が少ないスムーズなハードリングで上位争いに割って入った。
しかし、レース後に「(優勝した)ホロウェイは本当に強かった」と振り返...