柔道もビデオ映像を公開し、チャレンジ制度を【五輪コラム】

不可解判定に求められる透明性と民主性

  •  準々決勝でスペインのフランシスコ・ガリゴス(手前)に敗れ、納得いかない表情の柔道男子60キロ級の永山竜樹=パリ(共同)
  •  フェンシング女子エペ個人2回戦で判定に抗議する中国選手(右)を見つめる吉村美穂=パリ(共同)
  •  サッカー男子、日本対パラグアイ戦の前半、抗議する大岩監督(中央)=ボルドー(共同)
  •  英国サッカープレミアリーグのアーセナル―エバートン戦でVARによるゴールチェックを示す会場の大型ビジョン=ロンドン(ロイター=共同)

 多くの競技の判定で、ビデオ映像による確認が活用されている。サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入されたあたりから、どの競技団体も判定の正確性を向上させるためには、スローモーションで映像を確認するのが最も合理的かつ、迅速な対応だと確信するようになったようだ。(竹内浩)

 パリ五輪をテレビで見ていると、こんな様子が見られた。バスケットボール男子で、接触プレーによる反則を主審に判定された選手が、反則はしていないと大きなジェスチャーを交えて抗議した。この時、このチームの監督によるチャレンジがあったのか、主審はプレーを止めて副審を呼び、2人でコートサイドに設置されたビデオ席に向かい、映像確認作業を行った。間もなく自身の判定は誤りだったと認め、判定を取り消し、プレーを再開させた。

 コート上では両チーム合わせて10人の選手が動き回る。パスを交換し、ドリブルで突進し、シュートを放ち、そのすべてを防ごうとする相手の動きもある。主審は、ときには死角となっている場所でも、反則があったと判断した時に笛を吹く。そういうケースで「今の判定は間違ってい...

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