女子やり投げ、強烈な先制パンチで金メダル【五輪コラム】

北口榛花はチェコでの武者修行で成長した

  •  女子やり投げで金メダルを獲得し、表彰式で笑顔の北口榛花=パリ郊外(共同)
  •  陸上女子やり投げ決勝で、投てきを前に集中する北口榛花=パリ郊外(共同)
  •  女子やり投げ決勝で1投目に65メートル80をマークした北口榛花の連続合成写真=パリ郊外(共同)
  •  2015年、全国高校総体・陸上女子やり投げに出場し56メートル63で優勝した旭川東高校の北口榛花=和歌山市
  •  女子やり投げで金メダルを獲得し、セケラク・コーチ(左)に祝福される北口榛花=パリ郊外(共同)

 6投目の逆転アーチで知られる女王が、強烈な先制パンチでライバルたちを黙らせた。陸上女子やり投げで10日、北口榛花が日本女子初のフィールド種目での金メダル獲得した。陸上では2004年アテネ五輪の、マラソンの野口みずきさん、ハンマー投げの室伏広治さん以来の輝きとなった。179センチ、86キロの堂々たる体格。やり投げ王国チェコへ単身で乗り込み、5年余りで夢を実現させた26歳のアスリートに何が起きていたのか。(船原勝英)

 2023年は、ブダペストでの世界選手権を初制覇し、最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)最終戦にも勝って、名実ともに頂点に立った。しかし、今季は国内外での連勝記録が11でストップ。7月のロンドンでのDLも4位に終わって表彰台を逃し、パリへは記録ランキング5位で乗り込んでいた。

 「オリンピックで勝ってこそ真のチャンピオン」と心に決めていた北口は、決勝を前に「いつもはのんびりしていたが、強い選手ばかりなのでプレッシャーをかけようと1投目からいった」。

 無風状態のパリの大空へ、角度40度を超える高く大きなアーチが1投目に飛び出した。シーズンベストの65メートル80。これで勝負あった。...

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