やはりオリンピックは面白い、大観衆が盛り上げた【五輪コラム】

「五輪の危機」救った選手、パリ

  •  開会式で、セーヌ川を船でパレードする各国選手団=パリ(共同)
  •  男子66キロ級で金メダルを獲得し、ガッツポーズする阿部一二三=パリ(共同)
  •  フェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得し、日の丸を掲げる加納虹輝=パリ(共同)
  •  女子52キロ級2回戦 ウズベキスタン選手に一本負けした阿部詩=パリ(共同)
  •  パリ郊外の馬術競技会場。奥はベルサイユ宮殿(共同)

 熱狂のパリ五輪が閉幕した。セーヌ川での開会式で幕を開け、フランス競技場での閉会式で聖火が消えた。コロナ禍での2021年東京五輪が寂しい無観客開催だっただけに、歓声に包まれたパリでは選手も、観客も、テレビ視聴者も「オリンピックってこんなに楽しいんだ」と再認識した。国際オリンピック委員会(IOC)への不信感、東京大会での不祥事、不透明な開催地選定…。「五輪の危機」を奮闘した選手たちと大観衆が救った。(共同通信=荻田則夫)

 ▽「これぞオリンピック!」

 柔道男子66キロ級で2連覇を果たした阿部一二三は無観客の前回会場、日本武道館の静寂を覚えている。連覇達成後、日本からの応援団に加え柔道をよく知るフランスの観客からの大歓声による祝福を受けて「これぞオリンピック!」と感激していた。レスリング女子53キロ級で初優勝した藤波朱理は興奮気味に「オリンピック、最高!」と叫んだ。

 五輪史上最多となる950万枚以上のチケットが販売された。スポーツ好きのフランス人観客の熱く、それでいてフェアな応援が五輪ならではの雰囲気を醸成した。

 フランス発祥のフェンシングの男子エペ個人では加納虹輝が決勝でフランス選手に勝っ...

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