子どもたちの学びの在り方について長年考えてきたが、大学院で教え、鹿児島の通信制高校の校長でもある私がこのところ思うのは、結局どんな形でも、その中でベストを尽くすしかないということである。あらゆる環境の下で、子どもの可能性を伸ばす努力を重ねることが大切だ。
グローバル化や人工知能(AI)の発展といった時代の変化を受けて、教育の在り方について模索する方が最近増えた。従来の進路に加えて、インターナショナルスクールや、海外の大学など、いろいろな形を試すご家庭がある。そんな中で、今までの日本の教育はやり方が古いとか、個性を伸ばしていないなどと批判されることも多い。
これらの論には、確かにうなずくべき点がある。変えるべきところは改める方がいいだろう。一方で、猫も杓子(しゃくし)もインターナショナルスクール、海外留学というのは違うように感じる。
ご家庭の事情や地域の特性によって、選択できる学びの形には制約がある。だからと言って、それぞれの学びの可能性が閉ざされてしまうわけではない。肝心なのは、どんな学校でも、教育法でも、その中で工夫して子どもの個性、可能性を伸ばすことはできるということだ。
自分自...