新宿末広亭という都内の寄席で、8月中席(8月11日から20日まで)夜の部の、お盆興行の主任(トリ)を務めさせていただいた。
寄席の主任というのは、真打ち以上の芸人に務める権利があるのだが、私のような若手が機会をもらえるというのはめったになく、大変名誉なこと。ありがたいことに真打ち昇進の翌年から毎年、新宿・浅草・池袋で年に一度ずつ、各定席寄席の主任をやらせていただいている。噺家として年間寄席出演数365席を夢の一つに掲げている私にとって、とてもうれしいことだ。
そんな主任興行は、毎年たくさんのお客さんに来ていただきたくて、落語芸術協会と寄席のお席亭に生意気ながら意見をして、興行の出演者、座組みを一緒に決めさせていただいている。毎年、立川流、五代目円楽一門会、上方落語といったほかの団体の先輩や同期にも日替わりで出演してもらったり、二つ目10人の交互出演枠を作ったりなど、せっかくの若手の主任興行なのでメンバーも若手を中心に作らせてもらっている。
ただ、どうしても、若手だけだとにぎやかでお祭り感は出るが、ワチャワチャしてしまうことがある。それで、重要な出番(例えばトリの前や仲入り前の出番など...