大学教員時代、「政治には関心ない」と言う学生に対して私は、「政治は私たちの生活に直結しているんですよ」と説明してきた。いま、その思いが少し揺らいでいる。
衆議院が解散され総選挙が行われることになったが、自民党の派閥裏金事件に関与した議員の一部を非公認とする党執行部の方針をめぐり、国会議員や地方組織から不満の声が上がっている。同党の衆議院議員である高鳥修一氏は10月8日のX(旧ツイッター)にこう投稿した。なお、高鳥氏は前回2021年の総選挙で、選挙区で敗北、比例復活で当選している。
「次は惜敗率99.9%でも重複立候補が無いので落選です。比例名簿から安倍派が消える分、惜敗率がもっと下の他派閥候補者が繰り上げ当選。なので自民党トータルの議席数は変わりません。消えるのは安倍派だけ。でもこんなことして比例の自民票は減りますよ」
今回は重複立候補が認められず選挙区で勝つしかない高鳥氏の“恨み節”なのだが、これを見た有権者はどう思うのだろうか。私は、自民党は派閥政治からの脱却を目指していると認識していたのだが、いまだに本人たちは「消えるのは安倍派」などと派閥でものごとを考えているのか、とかなりが...