通勤形も動態保存の時代に 東急8500系電車

  •  赤帯をまとった東急8500系
  •  広告装飾のため青帯に変更された8637編成が東急に最後まで残り、動態保存も決まった
  •  秩父鉄道では緑帯に変更されて山岳電車らしい印象になった
  •  長野電鉄では東急時代の雰囲気を保っている。奥に元地下鉄日比谷線の車両が見えて東横線を思い出した
  •  長野電鉄に行っても、つり革は東急時代のままだ

 東京と神奈川を走る東急電鉄が8500系電車を動態保存すると聞いて、喜びがじわじわ湧いてくるとともに、大きな驚きを感じた。復活の時期は「2024年秋頃」と発表され、このコラムを準備しているうちに、「試運転を撮影できた」や「車両工場の公開イベントで展示された」という歓喜の声がネットに投稿されはじめた。掲載される頃には、復活運転のスケジュールが発表されているかもしれない。いずれにしても、8500系が元気に走る日はすぐそこだ。

 少年時代の筆者は8500系に何度も乗った。動態保存を喜ぶのは当たり前として、なぜ驚いたのかというと、この電車が世間的には「平凡」と思われがちな銀色の通勤形電車ということに尽きる。動態保存といえば蒸気機関車(SL)が広く知られているが、電車はなかなか珍しい。さらに通勤形電車の動態保存となると、東武8000型ぐらいしか思いつかない。

 しかも発表の時期は、JR東日本がイベント用としてせっかく大事に残してきた電気機関車とディーゼル機関車を引退させると公表した直後だった。東急の英断に感銘を受けつつ、「ついに通勤形電車も動態保存される時代になったのか」と感傷にふけった。

 ステンレ...

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