米子のかつての伝統野菜「米子赤カブ」の収穫が21日、米子市安倍の畑で行われた。今年は生育が思わしくなく、秋まで続いた猛暑の影響とみられる。栽培する有志らは「絶やしてはいけない」と気持ちを来シーズンに向けていた。
米子赤カブは明治から昭和初期にかけて住吉村(現在の同市旗ケ崎周辺)で盛んに栽培された。大正期には御用作物として当時の宮内省に献上されたが、戦後次第に廃れた。
収穫は、昨年有志で発足した米子赤カブの会の平田和弘会長(64)の畑で行われた。丸く膨らんだカブはほとんどなく、わずかに大きくなったカブを砂地から引き抜き、葉を落とした。生育は他の畑でも同様。有志らは「猛暑が原因としか考えられない」と話した。
平田会長は「試行錯誤しながら伝統野菜をつないでいきたい。栽培する有志を募りたい」と呼びかけた。
収穫に立ち会った仕出し業者は、甘酢漬けか天ぷら、ドレッシングなどとして活用するという。
会の連絡先は電話0859(21)3007、米子まちなか観光案内所。