ポン・ジュノ監督の新作映画「ミッキー17」が、日本でも公開を迎えました。
氷で覆われた星を植民地化する過酷なプロジェクトに参加したミッキー(ロバート・パティンソン)は、何度命を落としても、バイオプリンターというマシンで即再生産される使い捨て労働者になります。
記憶は転写されるので、代替わりしても「自分はミッキー16の次の17だ」と自覚できます。
ところがある日、任務中に深いクレバスに落下したままとなった17は、死んだと誤認され、18がつくられてしまいます。
食料に限りがある場所で、使い捨て労働者が2人同時に存在することは許されない。今までは「死んでもどうせ次の自分になれるから別にいいや」で暮らしてきたミッキーですが、これはまずい。既に18がいて、17の自分が処分されたら、本当の終わり。
労働者たちから搾取しまくるプロジェクトの司令官(マーク・ラファロ)とその妻(トニ・コレット)のキャラクター付けが強烈で、原作小説「ミッキー7」よりもクスクス笑えるコミカルな場面が増やされています。
一方で、17と18の存在重複がバレてはいけないハラハラ、実存の危機、といった楽しめそうな軸が、生まれては...