「絶景の城」として名をはせる国史跡・米子城跡(90メートル)の天守台には14日、夜明け前から写真愛好家らが集まり、静かに日の出の瞬間を待った。午前6時半ごろ、霊峰・大山(1729メートル)の山頂周辺から朝日がのぞき、旧城下町に神々しい光が広がると、一斉にレンズを向けてシャッターを切る。
秋は大山の山頂と日の出が重なる絶景「ダイヤモンド大山」の観望シーズン。同城跡では2月20日と10月22日ごろの気象条件の良い日にだけ見られ、多くの市民や愛好家らが希少な絶景を一目見ようと登城する。
観望会を1週間後に控えたこの日は約20人が天守台を訪れ、山頂のやや左からゆったりと昇る朝日をカメラに収めた。風はなく、空は高く晴れ渡っている。澄んだ早朝の空気に包まれ、眼下のまちでは“大山さん”に見守られた人々の暮らしが息づいていた。
観望会は22、23両日。(随時掲載)