鳥取県が手話を言語として定める手話言語条例を制定してから10年。生まれつき聴覚障害のある高田雅子さん(54)=鳥取市古海=は「あいさつなど簡単な手話が通じる人が増えた」と変化を実感する。
18歳で習得してから、手話での意思疎通は便利で日常に欠かせない。ただ、県の手話言語条例が制定される以前は、手話の社会的認知度は低かった。聴覚障害者同士が手話で会話をしていると、すれ違う人に不思議そうな顔を向けられることもたびたびあった。
高田さんは、23歳の長男と19歳の長女を育てる母親でもある。子どもたちの聴覚に障害はなく、以前は家庭内の会話は主に読唇による口話法や筆談だったが、今は手話が中心になった。