10万円、マジで自腹に HPVワクチン 公費接種の期限迫る

  • ワクチン接種を呼びかける森山医長=倉吉市の県立厚生病院

 子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防ワクチンを接種していない1997~2007年度生まれの女性が、全額公費で接種できる「キャッチアップ接種」の1回目の期限が今月末に迫っている。3回分の費用、約10万円を全額公費で接種するためには、今月中に1回目を接種しなければいけない。医療関係者は「接種機会を逃してほしくない」と、周知に力を入れている。

 鳥取県中部医師会は「10月1日以降は最大10万円、マジで自腹になっちゃうよ!」と書かれたポスターを作成し、管内の事業所や若者が立ち寄りそうな場所に掲示。同会理事で県産婦人科医会の明島亮二副会長は「検診も必要だが、ワクチン接種で子宮頸がんの8~9割が予防できる。情報に触れて接種するかどうかを考えて」と強調する。

 日本では、毎年約1万1千人の女性が子宮頸がんにかかり、約2900人が亡くなっている。若年層の発症割合が比較的高く、治療により子宮を失う人も年間約千人いるという。HPVワクチンは接種後、体にしびれなどの症状を訴える事例が相次いだため積極的勧奨が中止されたが、2022年に再開。同時にキャッチアップ接種も始まった。

 同会はキャッチアップ接種を後押ししようと、倉吉市の県立厚生病院と協力してうちわを作り、イベントで同病院の産婦人科医らが配布した。森山真亜子医長は「ワクチンは、絶対ではないが予防効果はとても高い。まずは1回目を打ってほしい」と呼びかける。

 県外在住者は、県外の医療機関で接種した際にかかった費用が返還される「償還払い」制度が利用できる。ただ、償還払いには上限が設けられていたり、事前申請が必要だったりする自治体もある。倉吉市では上限があり、事前申請が必要。担当者は「とにかく急いで接種してほしい。できれば3回、可能な限り1回でも多く接種して」と訴える。

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