中国の「トイレ革命」はまだ道半ば

  •  中国の家電販売店には現地メーカー製のカラフルなトイレが並ぶ
  •  フィリピン・マニラにある商業施設内の簡易式教会で、ミサが終わった後も祈りをささげる人たち

 「このホテルにしてよかった」。中秋節(9月17日)の連休、旅先のホテルで中国出身の友人がトイレから出るなり言った。一体どんなトイレかと見に行くと、何ということはない温水洗浄便座だった。「清潔だし自動で水が流れるなんてサイコー」と友人は満足げだ。

 中国がきれいなトイレを整備する「トイレ革命」に着手してからもうすぐ10年。都市部の公衆トイレはだいぶ衛生的になったが、いわゆる和式がいまだに多く、快適かと言われるとそうでもない。

 中国の家電業界団体によると、温水洗浄便座の世界生産台数の7割近くを中国が占める。ただ、国内の普及率は2023年時点で9%前後にとどまるという。足元では不動産市場の調整が続くが、バス・トイレなどの住宅設備市場の長期的な需要拡大を見込んで外資メーカーは市場開拓を本格化する動きもある。急速に進む高齢化への対応商品も注目だろう。

 まず肝心なのは衛生面やトイレ自体の機能性の向上だ。旅行中には観光地の景観を損なわないようにするためか、カフェのようなオシャレな外観の公衆トイレを見かけることもあったが、求めているのはそこじゃない、と言いたくなった。(中国)

 ▽商業施設で厳かなミサ、...

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