【尾木ママの今日も笑顔で】いじめが彼女を追い詰めた 旭川中2自殺の再調査をして(上)

  •  尾木直樹
  •  広瀬爽彩さんが亡くなった北海道旭川市の公園。失踪した1年後も雪が積もっていた=2022年2月
  •  北海道旭川市の今津寛介市長(左)に再調査委員会の委員長として報告書を提出する筆者=24年9月1日、旭川市役所
  •  24年9月13日に旭川市が公表した再調査委の報告書。約370ページに及ぶ詳細な内容。
  •  再調査委の報告書のポイント

 2021年3月、北海道旭川市内の公園で、同2月から行方不明だった市立中2年の広瀬爽彩(ひろせ・さあや)さん=当時(14)=が、全身雪に埋まった凍死の状態で発見された問題で、市は24年9月13日、いじめと自殺の因果関係を認めた再調査委員会の報告書を公表しました。

 市の教育委員会が設置した第三者委員会は、22年9月に「いじめと自殺の因果関係は不明」などと報告書で結論付けました。しかし「調査が不十分」とする遺族側の意向を受け、今津寛介市長は同12月に再調査委員会を設置、改めて事実関係を検証したものです。筆者は、弁護士や精神科医、心理学者ら計5人からなる、この委員会の委員長を務めました。

 私たち再調査委は「いじめ被害が自殺の主たる原因であった可能性は高く、いじめ被害が存在しなければ、自殺は起こらなかった」との調査結果をまとめ、公表に先立つ9月1日に市長へ答申したのです。

 ※編集部注:公表された報告書は約370ページで、いじめ行為も具体的に記述されました。詳細な発表となった理由について、爽彩さんの母親は、臆測や誹謗(ひぼう)中傷が一般市民にも及んだためと説明。「今回の公表範囲は私たちの事案に限...

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