性加害(性暴力)の問題が、近年これほど大きく広がったのは珍しいことです。わが国でも芸能界、スポーツ界、政界、司法界と各方面にまん延しています。
教育界も例外ではありません。性犯罪・性暴力やセクハラ行為で懲戒処分などを受けた公立学校の教員が、2023年度は320人にも及び、過去最多です。その7割近くが児童生徒への行為で、勤務先の学校の子どもたちに対する行為も5割を超えていました(文部科学省調べ)。
22年4月に「教員による児童生徒性暴力防止法」が施行されたものの、下火になる兆しは見えません。
▽被害の4割超が10代以下
最近、子どもの性被害・性加害問題が深刻化・低年齢化しています。特に小学生の被害が増えていて、とても心配です。2022年の犯罪統計資料によると、強制性交等罪の認知件数1655件のうち、被害者の4割超が10代以下となっています。
性暴力被害者の若者(16~24歳)を対象にした22年1~2月の内閣府調査では、被害の相談相手に関する質問に対し「どこ(だれ)にも相談しなかった」との回答が52・1%と過半数を占めました(内閣府広報誌『共同参画』23年8月号)。
被害に遭った子どもに...