3月11日の朝、東京都新宿区にあるJR高田馬場駅付近の路上で、動画配信中だった22歳の佐藤愛里さんが刃物で襲われ、死亡するという痛ましい事件が起きた。
殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは、栃木県小山市に住む高野健一容疑者(42)。動画配信を通して佐藤さんを知った。2人の間にあった金銭トラブルが動機の一つと報じられている(※編集部注=容疑者の年齢は逮捕時点。警視庁は13日、殺人容疑に切り替え送検しました)。
経緯や詳細についてはこれらの報道に譲るが、発生から1週間がたった今も、私が目にするSNSのタイムラインではこの話題で持ちきりだ。特にここ数日は「金を返さなかった被害者が悪い」「恨まれても仕方ない」といった被害者バッシングが吹き荒れ、加害者を英雄視するような投稿(ポスト)すら散見された。
さらに、事件現場に供えられた花を何者かが踏みつける動画が大炎上したり、被害者の婚約者を名乗る男性が登場して内情(のようなもの)を語り始めたりと、ものすごい速度で状況が変化している。
そして私は今、その現場の前に立っている。この辺りは、駅周辺の中で最も人通りが少なく、近隣の学生でにぎわう休み時間など...