王子さまと結婚してめでたしめでたしとはならない「アナと雪の女王」の影響か、あるいはセクハラや性暴力の被害者が連帯する「#MeToo運動」以降の流れか、強い絆で結ばれた女性たちが共闘する映画が増えている気がする。いわゆる「シスターフッド映画」である。
米テレビ局で起きたセクハラ事件に立ち向かう「スキャンダル」、家父長制が根強い社会に生きる孤独な女性たちを描いた「モロッコ、彼女たちの朝」など、国も作風もさまざま。そんな中、個人的にすっかりはまってしまったのが異色の青春アクション映画「ベイビーわるきゅーれ」(阪元裕吾監督)シリーズだ。
殺し屋協会から仕事を請け負うプロの殺し屋コンビ、ちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)が主人公。邦画では珍しいキレキレのバトルアクションが見どころだが、ソファで2人だらだらくつろぐ日常的緩さとの落差が最大の魅力だ。
シリーズ第3弾「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」で2人は宮崎に出張。過去最強の敵(池松壮亮)と壮絶な戦いを繰り広げるが、ちさとはまひろの誕生日プレゼントを用意していないことが気がかりだった。
何でもそつなくこなすちさとと、コミュニケーション...