“芸能人”と“芸人”の違いとはなんだろう。一般的な職業をしている方からすると、特に違いはないのかもしれない。テレビでよく見かけるようになったら芸能人と言われるようになるのだろうか…。落語家みんなに聞いてみたことはないが、私たちは自分たちのことを“芸能人”とは捉えておらず、テレビに出ていても、ほぼ全員が自分たち落語家は“芸人”だという意識でいるように感じる。もちろん私も自分のことを“芸能人”と思ったことも言ったこともない。多分それは、日々目の前にいるお客さんを笑わそうと高座へ向かって行く先輩師匠方の背中から見える“ザ・芸人根性”みたいなもののカッコ良さを、心から尊敬しているからだろう。
私は、子供の頃からの友達でも、大人になってからできた友達でも、プライベートで出会う初対面の人でも、芸人仲間、同期でも後輩でも、誰と接する時でも、なるべく自分を変えず普段通りに接するようにしている。先輩の芸人や仕事関係で出会う人たちに対しても、さすがに敬意を持って接するが、あんまりへりくだりすぎないように心がけている。失礼や生意気と見られてしまうと悲しいが、意固地になって強く見せているというよりは、ありの...