昭和63年生まれである私が携帯電話を初めて持ったのは、小学校6年生の頃だった。今でこそ小学生の子どもに携帯電話を持たせるというのは、当たり前のことかもしれないが、当時にすると多少早めだったかもしれない。ただ、学校が私立で私も含めほとんどの子どもが電車通学だったためか、家族との連絡用に持たされている子が多く、学校内では珍しくなかった。放課後になると、日の暮れるまで校庭で走り回り、下校時間になると今度は学校の最寄り駅である東京は吉祥寺駅前に行き、「いいかげん帰ってこい!」という着信が来るまで、遊びに必死。毎日まさに遊び狂っていた。
さかのぼること約23年前の話なので、携帯電話といっても懐かしのPHSやカメラ機能が付いたばかりのガラパゴスケータイ。そこから携帯電話は加速度的に進化していって、今では“ケータイ”という呼び名もあまり使わなくなった。今の呼び名は“スマートフォン”。もうこの機械は電話やメールというそれまでのケータイの用途はおまけとなり、クレジットカードや現金の支払いに代わり、テレビに代わり、音楽機器に代わり、書籍に代わり、ゲーム機に代わり…とまさに1台で全てのことを引き受けてしま...