【河西秀哉 天皇のいる風景】秋に相次ぐ天皇・皇后の地方訪問、考え直す時期では?

  •  現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 秋は天皇・皇后の地方訪問が相次ぎます。10月5日には国民スポーツ大会の開会式出席のため、佐賀県を訪問。競技の見学だけでなく、地酒を提供する交流拠点も視察し、子どもたちと触れあいました。約10日後、今度は国民文化祭の開会式に出席するため、岐阜市を訪問しました。全国障害者芸術・文化祭の作品展を見た後、各務原市の航空宇宙博物館を訪ねました。

 さらに11月9日からは、全国豊かな海づくり大会出席のため、大分県を訪問します。1泊2日の日程で、国東市の種苗生産施設を見学する予定が組まれています。

 ▽年4回の「行幸啓」はなぜ?

 春に開催される全国植樹祭を含めて、天皇・皇后は年に4回、必ず地方を訪問します。これを「四大行幸啓(ぎょうこうけい)」と呼んだりしますが、なぜ天皇と皇后はこうして定期的に地方を訪問するのでしょうか。

 江戸時代以前の天皇は御所の奥深くに座っていて動かないようなイメージがあるかもしれませんが、もともと天皇は古代以来、旅をしてきました。『日本書紀』などの古い書物にも天皇の旅に関する記述は出てきます。居住する近畿を中心としながら、東海地方や九州地方の遠方まで出かけていました。なぜ天皇は...

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