2024年をあきらめた。そうは言っても11月は始まったばかり。本コラムの執筆時点で今年はまだ2カ月弱残っている。2カ月といえば1年の6分の1で、決して短くない時間だ。でも私はもうあきらめた。さよなら2024年、お先に失礼します。
もちろん、連載やすでに決まっている仕事を投げ出したりはしない。やめるのは、2024年中に何かしらの成果を上げようとすること。具体的には個人的な作品の完成だ。
どうしても年内に完成させたいものが二つあった。夏頃から計画的に準備してきたのに、日々の仕事に追われ目標にあと少し間に合わなさそうだ。悔しい。
交流サイト(SNS)を見ると常に誰かが「重版しました!」「新刊が出ます!」と、めでたい告知をしている。他人の活躍は喜ばしいし、こちらもいい報告をしたいなと思う。しかし私は2022年にエッセー本を出して以来、商業出版では新刊を出していない。2年たつが、いまだに毎日「なぜ重版できていないのだろう」と考えてしまう。真に大切なことは売れた数ではないと分かっているし、届くべきところに届いている実感もある。
でも、手応えがあるからこそ、もっとやれることがあったのではないか、頑...