人が生まれたらソウルに送れ―。韓国のことわざだ。「成功するためにはソウルでよい教育を受けさせよ」という意味で、この国の有名大学は実際、ソウルに集中している。ところが、若い親世代の間では、地方への引っ越しがブームになり始めているという。
背景には、大学定員を巡る法改正がある。韓国では地方の人口流出を防ぐため2015年に「地方大学育成法」が施行され、医学部と薬学部の人気学部に対して入学者の30%を地域人材に割り当てる制度が導入された。23年の法改正では割当率が40%に引き上げられ、運用についてもこれまでの「勧告」から「義務化」に切り替わるなど、規制がさらに強化された。
これにより、地方出身者は難関学部の進学で一層有利になるが、対象になるには中学、高校を地方で卒業する必要があるため、子どもが小学生のうちに対象地域への転校を検討する親が増えているのだ。
非首都圏のエリアにはメリットの大きい法改正だが、地方を「抜け道」扱いされるのはいかがなものか。地方在住の幼い子どものいる親は、なんとも言えない気持ちになるだろう。(韓国)
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