【茂木健一郎のニュース探求】性善説が通用しないネット社会 「多様性と包摂」の価値観を大切に

  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
  •  ランサムウエアのイメージ
  •  出版大手KADOKAWAをサイバー攻撃したと主張しているロシア系ハッカー犯罪集団の犯行声明=7月3日
  •  対話型人工知能「チャットGPT」の画面と米オープンAI社のロゴ
  •  23年11月、オープンAIにサイバー攻撃を仕掛けたと主張したアフリカのハッカー集団「アノニマススーダン」のイメージ画像(アノニマススーダンのテレグラムから)

 インターネットのセキュリティーに対する関心が高まっている。会社や学校などの組織でも、個人情報を含むデータの扱いに細心の注意が必要な時代になった。

 システムに侵入されて情報が漏えいしたり、データが暗号化されてその解除に「身代金(ランサム)」を要求されたりと、現代的としか言いようがない事態が報道されている。誰にとっても、人ごととは思えないだろう。

 一人で多くのネットサービスやサイトのアカウントを持つのが当たり前になった。しばしば言われるように、単純すぎるパスワードや、複数のアカウントでの使い回しは避けるべきだろう。

 また、発信元の分からない、怪しいメールやメッセージは無視することも大切である。簡単にもうかるなどのうまい話には、必ず裏があると考えて、引っかからないように心がけたい。

 それにしても、もはや、個人の努力ではカバーしきれない状況であることも確かだ。システムに侵入してお金を要求する「ランサムウエア」や、通常の検索ではヒットせず、匿名性が高くグレーなやりとりが行われている「ダークウェブ」などの言葉が、毎日のようにメディアで報じられている。社会全体として、どのように対応していけばいいの...

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