【柳亭小痴楽 その男、ヤングマン】正直者がバカを見る

  •  柳亭小痴楽

 昨今は本当にストレス社会のようで…。

 芸人なんていう気楽な稼業を生業としていると“ストレス”なんという大それたものを感じることがないもんで、皆さんが日々抱えているだろうストレスというものを想像すると申し訳なくなってしまう。

 そんな日々受けるストレスを少しでも軽減できるように、今日は私なりの気楽な能天気思考をお裾分けしたい。

 昔からあることわざで「正直者がバカを見る」という言葉がある。

 この言葉、どういう意味で使われるのか。ちょっと辞書をひもといてみると… 辞書ってひもとくとバラバラになっちゃうみたいね! なんというくだらないことは置いといて。

 ――悪賢い者がずるく立ち回って得をするのに対し、正直な者はかえってひどい目にあう。世の中が乱れて、正しいことがなかなか通らないことをいう。正直者が損をする。というような意味らしい。

 私には、幼少の頃から、おやじに口を酸っぱくして言われてきた言葉がある。友達とけんかをしてしまった時、兄弟げんかをしてしまった時、私が落語家を志し入門をした時、最後に言われた時はおやじが亡くなる数週間前。

 その言葉は、――うそをつくな。バカでもいいから真っすぐ生きろ。...

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