老化をポジティブに捉える言い方がほしい

  •  養老孟司さん(撮影・大津薫)

 【相談】

 私はこれまで健康でしたが、最近、眼鏡店で視力検査をしたところ「老眼です」と言われました。年を重ねれば視力は変化するのに、いかにも劣化を思わせる言い方はどうなのかと感じました。「老眼」ではなく、もっといい表現はないか。他にも「五十肩」など、年齢的な変化をネガティブに捉えた印象の言葉がたくさんあります。言われた側も、自分を必要以上に衰えたものとして振る舞ってしまう面があるような気がします。ネガティブな言語表現を改め、人間の自然性をポジティブに捉えてもいいのではないか。私の考えをどう思われますか?(横浜市 翻訳業 男性 52歳)

 【養老孟司先生の回答】

 あなたがおっしゃるように、年を取ることをネガティブに捉えている若い人は多いと思います。体は動かなくなるし、物忘れはひどくなるし、目も見えなくなるし…。

 ▽気の持ちよう

 最近「老害」という言葉をよく聞くようになりましたが、今の世の中を考えると、高齢者批判が増えるのも、まあ不思議ではない。なぜなら、今ほど老人が多い時代はありませんから。数が多いと大事にされなくなるのは、ある意味、必然です。電車の中で若者が年寄りに席を譲らなくなったのは...

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