【柳亭小痴楽 その男、ヤングマン】東西落語界の文化の違い

  •  柳亭小痴楽

 落語と言っても東西でちょっとずつ違いがある。諸説あるが、江戸時代前期に江戸落語(東)と上方落語(西)がそれぞれほぼ同時期に生まれたそうな。江戸落語はお座敷芸と言われ、大家の方や大店の方々に呼ばれお座敷でじっくりと芸を披露していた。上方の方は、町の辻々に見台(または膝隠し)というものを置いて、小拍子の音や噺の中に鳴り物を入れて、にぎやかな芸で道行く人々の足を止めて聞いてもらっていたのだとか。

 したがって、現在でも上方落語には鳴り物が入る噺が数多く残っている。上方には滑稽噺が多く、人情噺や武士の出てくる噺、吉原でのお遊び、廓噺は江戸発祥が多いと言われている。

 今では東西の芸人の交流も多く、お互いの噺を譲り合ったり交換しあったりして、どちらも形を残しつつ地名や登場人物を変えてやり合っている。

 私も東西交流に力を入れ、上方の芸人と競演する落語会や、可能なら東西だけでなく他派も交ざるような落語会をなるべく多く開いている。

 そのうちの一つ、上方の桂三語さんという4年後輩の仲間と毎年やってきた二人会が、先日の神戸公演で8年目を迎えた。

 終演後の打ち上げでも江戸落語と上方落語の話になった。「やっぱり...

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