コメはこんなに簡単に店頭から消えるのか。また「コメがない」というのは、これほど私たちの不安をかき立てるのか。そう思った人もいるのではないか。
夏の終わりの日本で起きた「コメ不足」。昨年の猛暑による不作、インバウンド客による需要の増大、南海トラフ地震などの災害に備えての買いだめなど、さまざまな原因を挙げる声がある。ただ、そう説明されても、「とはいえ、昨年は大凶作だったわけでもないし、日本人のコメの消費量は減っていると言われているのに」といまひとつ納得ができない。
農相は会見で「新米が出回るので、品薄の状況は順次回復していく」として、政府の備蓄米放出を否定した。それに対しても、「それでよいのか」と疑問がわく。私がいま働く地域にはコメ農家も多いが、「直接、購入したいと言ってくる人たちが多くて、これから収穫する新米はほとんど市場に出す分がないくらいだよ」とか「市場に出回ってもかなりの高価だろうね」と話している人たちもいる。
少し前は、卵が店頭から消えたり異様な高値になったりしたこともあった。言うまでもないが、コメや卵は日常の食卓に欠かすことができない基本的な食品であり、消費者は「手に入って当...