【養老先生に人生相談!】自閉症スペクトラム障害(ASD)の息子に投薬を続けるのは、いいことなのでしょうか?

  •  養老孟司さん(撮影・大木賢一)

 【相談】

 7歳の息子がいる父親です。私はASDや注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断され、投薬中です。息子も同じ診断名が付きましたが、薬を飲ませたおかげで授業中に注意がそれたり、寝てしまったりすることが減りました。神奈川県鎌倉市で開催された養老先生の虫展に行き、あらためて自然について考えました。人間が診断名を作り、投薬で脳に影響を与えることは、人工的というか、息子の生き方に不自然に手を加えている気がします。一方で投薬すれば落ちついて授業を受けられるので、勉強してさまざまなことへ興味を持ってほしいとも思います。養老先生は、投薬の是非についてどのように考えますか? (名古屋市 理学療法士 男性 37歳)

 【養老孟司先生の回答】

 私が医学の教育を受けた時代に「効果がある」と称していたのは脳の働きを下げる薬でした。これは、はたからは薬が効いて落ち着いたように見えるものですが、ご本人はつらかったと思います。当時と比べると今はいい薬ができているので、その意味では、ずいぶん当事者の環境は改善されました。

 ▽どちらが自分か

 ただ、そうなったらそうなったで、あなたのような悩みが出てくるのも理解できます...

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