テイラー・スウィフト氏がハリス候補支持表明 日本のアーティストにも政治的発言の機会を

  •  香山リカ

 アメリカ大統領選を前に、共和党の候補者トランプ前大統領と民主党の候補者ハリス副大統領によるテレビ討論会が行われた。

 その直後、アメリカの女性歌手テイラー・スウィフト氏がSNSでハリス氏支持を表明し、大きなニュースとなった。彼女はインスタグラムで2億8000万人ものフォロワーを持ち、とくに若い世代には絶大な支持を得ていることから、今回の大統領選の投票先にも関心が集まっていたのだ。

 スウィフト氏は、討論会の内容に触れ、ハリス氏を「着実な手腕と才能を備えたリーダー」と評価。さらに猫を抱いた自身の写真を添え、投稿の最後には署名とともに「子どものいない猫好き女性」と記した。これは、共和党の副大統領候補バンス上院議員が以前、ハリス氏にも触れながら、「惨めな思いをしている子どものいない猫好きの女性たち」などと表現したことへの痛切な皮肉だと思われる。

 その国のナンバーワン・アーティストが、重要な選挙ではっきり自らのスタンスを示す。これは日本ではまず考えられないことではないだろうか。むしろ売れれば売れるほど「ファンにはさまざまな考えの人がいるのだから」と言われ、政治的発言をしにくくなる。たとえ本人が臆...

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