映画「ぼくのお日さま」いとおしさ降り積もる やわらかな心、止まらない時【山崎あみ『うるおう』リコメンド#86】※音声連動記事

  •  (C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CIN☆(アキュートアクセント付きE)MAS
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  •  山崎あみ

 淡い記憶のような映像のなんと美しいこと…。交わす言葉は少ないのに、心の振動はずっと伝わってきて、いとおしい。

 映画「ぼくのお日さま」(奥山大史監督、9月13日公開)は、小さな町で暮らす少年の初雪から雪解けまで、ひと冬の経験を描いています。

 アイスホッケーが苦手で吃音のある小学6年生タクヤ(越山敬達さん)はある日、フィギュアスケートに打ち込む中学1年生さくら(中西希亜良さん)に心を奪われ、独りでフィギュアのまねごとを始めます。その様子に気付いたスケートコーチ荒川(池松壮亮さん)は、タクヤを応援したくなって彼にフィギュアを教え、さくらとアイスダンスのペアを組ませて…。

 奥山監督は、越山さんと中西さんの2人には台本を渡さず、撮影する場面ごとに口立てで演出し、とても自然な表情を引き出しています。

 フレッシュな2人と池松さんのやりとりは、楽しいときも良くないときも、決して止まることのない時間を感じさせます。さらに、荒川のパートナー五十嵐(若葉竜也さん)の優しさも、じんわりとしみてくる。

 池松さんはコーチ役ですからリンク上でも姿勢が美しいですが、なんと今作に臨むまで氷の上に立ったことすらなく、全...

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